保育園栄養士 はなこ と申します。
保護者アンケートや保護者面談の中で、保護者からいただく質問で多いものをランキングにしました!(主観です)
- 保育園では食べるのに家では食べないんです
- いつも同じものしか食べません
- 白いごはんしか食べないんです
順番にご説明します。
1.保育園では食べるのに家では食べないんです
圧倒的に多い質問です。クラスのうち半分くらいの保護者から聞くと思います。
理由は主に3つあります。
- がんばっている
- お友達も食べている
- たくさん作るとおいしい
がんばっている
とにかく子供たちも園生活を頑張っています。
大人も、家と職場では見せる顔が違うように、子供たちも保育園では家とは違い、少し気を張っているのです。
家では甘えてだらだらしてしまうことも多いでしょう。
もしお家では野菜などを食べていなくでも、園で栄養を取っているからもういいかと肩の荷をおろしてください。
お友達も食べている
やっぱりみんなで食べるとおいしいですよね。
また、2歳時クラスで子供の優しさを感じる場面がありました。
ある子は、ほうれん草が苦手でした。
でも今日は頑張って一口食べられたんです。
するとそれを見ていた他の子が「◯◯くん 食べられたの すごーい」と言って拍手をしてくれました。
食べられた子もとても嬉しそうで、きっと心に残る成功体験になったと思います。
お互いにお友達とよい刺激をもらいながら成長していっています。
たくさん作るとおいしい
汁物や煮物も寸胴や大きいお鍋でたくさんの食材が入るので、不思議と美味しくなります。
特に寸胴で作ると、保温効果からか食材同士の味が馴染んで、とても美味しくなります。
子供たちも食べやすくなるのではないでしょうか。
2.いつも同じものしか食べません
2番目に多い質問です。
主に2つの理由が考えられます。
- 食経験が少ない
- 同じものが安心
食経験が少ない(毎日が海外旅行のようなもの!?)
赤ちゃんは生まれてから母乳に始まり、離乳食、幼児食と進んでいきます。
本能として、甘いものは体が必要なエネルギーだと思い、好んで食べることができます。
一方、苦みや酸味は、食べ物が腐っている時の味覚と似ているため、命を守るために食べないようにしてしまいます。
例えば、ピーマンが代表的ですが、ほとんどの野菜は少し苦みがありますよね。
トマトや柑橘の果物が苦手な子も多いですが、酸味があるからです。
それでも経験を重ねれば、「これは大丈夫な苦み、酸味」だと認識して食べられるようになります。
私たち大人でも、例えば外国に行って、名前もわからない、味の想像もつかない、食べたことのない食材を使った料理にドキドキしてしまうことはありませんか?
子供たちは日々出会う料理がまだまだ安心できるかわからない。
そのために食べ慣れたものを好んでいます。
同じものが安心
食経験の少なさに共通しますが、知っている味は安心ができます。
また、もともとの食べ物への興味関心や、家庭での食材への関わりも個人差があります。
もともと食べるのが好きな子、農家や家庭菜園で野菜が身近にある子では食べる意欲が違ってきます。
今は食べられなくても、農家でなくても、お家でのお手伝いを通して食べられるようになる子は多いです。
乳幼児期におすすめのお手伝いは
- トマトのヘタとり
- 葉物を洗う
- ドレッシングを混ぜる
- スーパーに一緒にお買い物ヘ行く
などです。意外といろいろできるので、ぜひ挑戦してみてください。
3.白いご飯しか食べないんです
2年に1人くらの割合で入園していらっしゃいます。
特に2点の理由についてご紹介します。
- 味に敏感
- 味覚以外の感覚(例:ご飯が汚れる)
味に敏感
赤ちゃんの味蕾は、お母さんのおなかにいる妊娠7週目くらいにでき始め、14週くらいには大人とほぼ同じ構造になり、その後は生後3カ月くらいまで増え続けます。味蕾は刺激物や喫煙などで摩耗するため、成人男性では約7000個、高齢男性では約3000個ですが、生まれたばかりの赤ちゃんには何と1万個もあります。
日本経済新聞
味の感覚を司る味蕾が、乳幼児期は大人よりもはるかに数が多いのです。
そのため味を繊細に感じるとることができます。
慣れていない味がわかってしまうので、いつも同じものに安心を感じるのでしょう。
味覚以外の感覚(ご飯が汚れる)
カレーや丼も嫌がる子がいます。
元偏食っ子の知人が言っていました。
「ご飯が汚れる」
そういった感覚があったそうです。
子供の頃は言語化が難しいですが、それぞれ自分の思い、感覚を持っています。
そして知人は、今は牛丼も大好きで、その他の野菜も食べられるようになったので、やはりそこまで心配しなくても大丈夫そうです。
白ご飯しか食べない子が不足するもの
白ご飯が食べられていたら、最低限の必要なエネルギーは確保できているので大丈夫です。
ただ、不足を懸念する栄養素が1つあります。
それは「ビタミンB1」です。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるのに必要な栄養素です。
ビタミンB1が不足すると、「脚気」という病気になります。
江戸時代、玄米食から白米食に移行することで、大流行したと言われていて、白米だけでは脚気になるリスクがあがります。
脚気になると末梢神経や中枢神経が冒され、足元がおぼつかなくなったりするほか、重症化すると心不全を起こして死に至ることもあります。
農林水産省
通常、人の膝の下をたたくと足がはね上がりますが(膝蓋腱反射[しつがいけんはんしゃ])、反応しない場合は、脚気の疑いがあります。
そこで、ビタミンB1を補給するために、保護者に紹介したものがありました。
ハウス食品の「栄養強化米 新玄 サプリ米」です。
ご飯に混ぜて、手軽にビタミン、鉄、カルシウムの補給をすることができます。
ご紹介した保護者の方も、早速購入され、お子さんが特に気にせず食べていたと教えてくれました。
ぜひお守りとして知っておいていただければと思います。
まとめ
今は偏食でも大丈夫!
私が卒園まで見送った偏食っ子も、みんな年長になる頃には食べられるものが増えています。
何でも食べられるとまではいきませんが、野菜や肉、魚などある程度食べられるようになり
卒園まで白ご飯のみの子はいませんでした。
大切なのは安心、楽しい食経験を重ねること。
必要に応じて「新玄」などのサプリも活用してみてください。
そして長い長い目で見守ってあげてください。
はなこ でした!
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